コスモスポーツは1967年5月30日に東洋工業(現在のマツダ)が発売した国産初のロータリーエンジン搭載車、2ローターとなると世界初となり当時の日本の自動車社会に衝撃を与えたと言われています。
 そのデザインと当時未知のロータリーエンジンから自動車史にも幾度となく紹介されています。
ここでは発売から50年を超えたクラシックカーをオーナー視点から紹介しています。

 

 Prototype
 コスモスポーツの市販前に全国に60台のコスモスポーツがテスト車両として配布されテスト走行を繰り返して行っていたことは各種書籍にてご存じかと思います。
テスト担当者は日報に走行距離やガソリン使用料、オイル消費量など毎日記録していたとのことでした、やはりその体験したことのない発進加速性能にはロータリーエンジンに脅威の可能性を実感したそうです。
 



前期型・後期型の比較
 コスモスポーツには大きく分け前期型のL10Aと後期型のL10Bの2タイプがある、1967(昭和42年)に発売され翌年の1968(昭和43年)にマイナーチェンジとしてエンジンの変更とそれに伴うボディ各所の変更をしている。前期と後期の相違点の比較をここで紹介します。



フロントグリルの違いは外観の大きな特徴、
しかし前期型が後期型にグリルを交換したクルマもあるので注意。


車体相違点
    L10A前期型 L10B後期型
全  長 4140mm 4130mm
全  幅 1595mm 1595mm
全  高 1165mm 1165mm
ホイールベース 2200mm 2350mm
トレッド前/後 1250/1240mm 1260/1250mm
車両重量 940kg 960kg



エンジン関係相違点
    L10A前期型 L10B後期型
最高出力 110ps/7000rpm 128ps/7000rpm
最大トルク 13.3kg/3500rpm 14.2kg/5000rpm
最高速度 185km/h 200km/h
0-400m 16.3秒 15.8秒



外観、装備等の相違点
      
L10A前期型 L10B後期型
フロントグリル 縦スリット型  大きく、ブレーキ冷却口あり
バンパー リアサイドバンパー長い 前後バンパーラバー付き
フェンダーミラー メッキ ボディ同色(43,44年式にメッキ゚あり)
サイドウインカー 丸型 横長型(43,44年丸型あり)
スピードメーター 200km/h 240km/h
タコメーター ×100rpm ×1000rpm
サイドブレーキ 助手席側 運転席側
ハザードランプ なし あり
パーキングランプ なし あり
クーラー なし オプション設定あり
ヘッドレスト なし あり(43,44年一部なし)
アシストグリップ なし あり
バッテリー トランクルーム 助手席後部室内
ブレーキ サーボなし サーボあり
タイヤ 14インチフルホイールキャップ 15インチハーフホイールキャップ





生産台数の不思議

 コスモスポーツの生産台数は一般に1176台と言われています、当時からこの数字はメーカー発表されていた数字ですが、これは日本国内における販売台数を示すと思われる資料をクラブ員が見つけました。当時のカー雑誌「モーターファン」誌の記述にそれがあったのです。
 これまでにクラブ員が年代別の車体番号を調べ、この数値と販売台数の比較をしてみました。
下表の数字から車体番号からの台数の合計は1841台となる、しかし当時から縁起の悪いと言われた「4」「9」「42」「49」などの車体番号がなかったと当時のオーナーは言っている。ではいったいこの数字のミステリーはなんなのだろう?輸出ばかりでなく、欠番もかなりの数があった可能性が大きくなってきた、コスモスポーツの生産台数はいったい何台だったのか?
不思議の旅が当分続きそうです。
(これはクラブ員の独自調査の結果です)



車体番号 生産台数 販売台数
1967年 L10A10001〜10416 416台 343台
1968年 L10A10417〜10421
L10B10001〜10141
146台 172台
1969年 L10B10142〜10670 529台 159台
1970年 L10B10671〜10945 275台 258台
1971年 L10B10946〜11225 280台 126台
1972年 L10B11226〜11400 175台 118台
合計
1841台 1176台